展開図ってどう描くの?描き方がわからない…を抜け出すためのやさしい練習法

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図面を見て立体が少しイメージできるようになった――そんな段階まで来た人が、次につまずくのが「じゃあ、どうやって展開図を描けばいいの?」という壁です。実は、展開図を描くのにいきなりペンを持っても、うまくいかないことが多いんです。
大切なのは、描く前に頭の中で「形を分解」しておくこと
これは私が新人に教えていたときに、特に意識してもらっていたポイントでもあります。

ミオさん
ミオさん

あ、まさに私それでした…。描き始めたけど、全然かたちにならなくて。

この記事では、描く前に整理すべき3つのことを紹介します。

展開図を描く前に整理したい3つのこと

まず「どんな面があるか」を書き出す

展開図は、立体を“面”ごとに広げたものです。
だから最初にやるべきは、「その立体が何面でできているか」を考えること。

たとえば、直方体であれば6面。
L字型であれば、凹凸の分だけ面の数も増えます。

「正面」「背面」「左側」「右側」「上」「底」など、面の名前をつけて紙にメモしておくと混乱しません。

ハマン
ハマン

まずは全体の“パーツ”を分けて考えることが大事ですね。いきなり描こうとすると、かえって迷いやすくなりますよ。

その面同士がどの線でつながっているかを考える

次に考えるべきなのが、**どの面が、どの面と“つながっている”のか?**ということ。

これは実際に新人に教えていても、非常によくつまずくポイントでした。

  • 「この上の面は、前面のこの辺とくっついている」
  • 「右側の面は、背面とこの線で接している」

こうした“面と面のつながり”を明確にすることで、描いたときにバラバラにならない展開図が完成します。

ミオさん
ミオさん

えっ、面がどうつながってるかって、考えたことなかったかも…。でも確かに、バラバラに描いてた気がします。

そのつながり方は「どう曲がるか(角度・方向)」を確認する

最後に整理すべきは、その線が“どう折れ曲がるか”という点です。

  • 山折りか谷折りか?
  • 直角に曲がる?鈍角?鋭角?

私が教えていた新人には、ここでよく紙を折って再現してもらっていました。
目で見るだけではわからなかった曲げの方向や角度が、手を動かすことで自然とわかってくるんです。

ハマン
ハマン

“考えてわからなければ、手を動かす”。これは図面を読むうえでの鉄則ですよ。

「この線は谷折りで90度」「この面は右に折れる」など、線の種類と角度をメモしておくと描くときに迷いません。

図面を見て展開図を描く前に、「何の面があるか」「どことつながるか」「どう曲がるか」
この3つを頭の中で整理しておくだけで、描くときの迷いがグッと減ります。次のステップでは、実際に紙に描く方法と、描くときのコツをご紹介します!

整理できたら実際に描いてみよう

展開図を描く準備が整ったら、いよいよ紙に描いてみましょう。

ここでは、初めてでも描きやすいステップと、描くときの注意点を、新人教育の現場で実際に使っていたアプローチをもとに紹介します。

ミオさん
ミオさん

ここからが本番ですね…!正面の面から順番に描いていけばよさそうです。

まずは“基準となる面”から描く

最初に描くべきは、中心となる「正面の面」や「底の面」です。
ここを基準にして、他の面を順番に配置していくことで、展開図全体のバランスが取りやすくなります。

新人に教えるときは、まず正面を四角で描き、「この面の右側に側面、上に上面を描いてみよう」と、面の位置関係を意識してもらうことから始めていました。

面をつなげるときは「面のサイズ」と「接続線」に注意

次に大事なのは、各面の寸法(幅・高さ・奥行き)を正確に反映すること。
たとえば正面が「100×50mm」なら、右側面は奥行き「30mm」で「50×30mm」となります。

また、面をつなぐ「線」の意味も忘れずに。

  • その線は曲げる線なのか?

こうしたポイントを確認しながら描くことで、よりリアルな展開図に近づいていきます。

曲げ線の種類(谷折り・山折り)を描き込もう

曲げ線には、谷折りや山折りなどの種類があります。 図面では記号で描かれますが、自分で展開図を描くときは、点線や矢印などで“どう折るのか”をメモしておくと、あとで確認しやすくなります。現場では、新人に「この線はどっちに曲がる?」と口頭で説明させるトレーニングもよく行っていました。
自分の言葉で説明できると、理解の定着度が一気に深まります

ハマン
ハマン

“この線は谷折りですね”…なんて、自分の言葉で説明できたら本物です。ぜひ声に出してみましょう。

描けたら「折る順番」までイメージしてみよう

ただ描くだけで終わらずに、描いた展開図をどう折りたたんで立体にしていくかまで想像してみるのがおすすめです。

  • まずこの面を折って…
  • 次にこことここをくっつけて…
  • 最後にこの面が上にくる

こうした“組み立て手順”を考えることで、展開図と立体の関係がより深く結びつきます。

展開図は、線をなぞって描くだけではありません。
どの面が、どこにつながって、どう曲がっていくのか?
その流れを意識しながら描くことで、初めて“意味のある展開図”になります。

もし描きながら不安を感じたら、次のステップへ進んでみましょう。
実際に切って、曲げて、立体にしてみることで、正しく描けていたかを確認できます。

ミオさん
ミオさん

この順番、折り紙と似てますね。私、箱を組み立てる時のこと思い出しました!

描いた展開図を切り取る

展開図を描き終えたら、次はその図を実際に切り取ってみるステップです。この作業を通じて、頭の中だけで組み立てていた形が、現実に立体として再現される感覚を体験できます。

ハマン
ハマン

図面は“描いて終わり”ではありません。“形にする”ことで、理解が一気に進みますよ。

なぜ「切る」のか?手を動かすことで理解が深まる

図面や展開図を見ているだけでは、どうしても「イメージ止まり」になってしまいがちです。
だからこそ、描いた展開図を“触れる形”にすることで、頭の中の理解が現実と結びつくのです。

私が新人を指導していたときも、「とりあえず切ってみましょう!」という声かけで、一気に理解が進んだ瞬間を何度も見てきました。

切るときのポイントは「線の種類」に注意すること

展開図にはいくつかの線がありますよね。

  • 外周の「輪郭線」
  • 曲げを示す「折り線(谷折り・山折り)」

この中で、切るのは外周の輪郭線のみです。
折り線は切らずに“折る”部分なので注意が必要です。

紙に描いた展開図を切り取るときは、あらかじめ以下のような工夫をするとスムーズです:

  • 輪郭線は実線、折り線は点線で描いておく
  • 折り線の横に「山折り」「谷折り」と小さくメモしておく

カッター or ハサミ、どちらでもOK!

道具に決まりはありませんが、できれば定規とカッターがあると仕上がりがきれいです。
とはいえ、ハサミでも十分対応できます。重要なのは、きちんと面の形が保たれるよう丁寧に切ることです。

切ってみると、展開図の“正しさ”が見えてくる

実際に展開図を切ってみると、「あれ?ここ、面が足りないぞ」「このつながり、変かも」といったミスや認識のズレに気づくこともあります。

それは失敗ではなく、“立体を理解できるようになってきた証拠”です。

間違えても大丈夫。気づいたら、もう一度描いてやり直せばOK。
この試行錯誤のプロセスが、あなたの図面スキルを確実に底上げしてくれます。

展開図を切り取る作業は、一見すると単純なようでいて、「描いたものが正しかったか?」を検証する重要なプロセスです。
ここを通ることで、あなたの中で展開図と立体の関係がグッと深まります。次のステップでは、実際にそれを“立体化”してみる方法をお伝えします!

切り取ったものを実際に曲げてみる

展開図を切り取ったら、いよいよ“立体にする”作業です。

ここで初めて、「自分が描いた図面が正しかったか」「イメージ通りの形になるか」が目で見て・手で触れて確認できる瞬間が訪れます。

曲げる前に、折り線をしっかり確認しよう

まずは、どこが折り線なのか、どちらに折るのか(山折り or 谷折り)を確認しましょう。

私が新人に教えていたときも、よくあったのが
「谷折りと山折りを逆にしてしまった!」
というミス。でもこれは、“間違えることで覚える”最高のチャンスなんです。とくに複雑な展開図では、折る方向を間違えると全体の形がまったく変わってしまうため、折る前に想像→指で動きをなぞるという流れをおすすめしています。

実際に手で折って立体にしてみよう!

折るときのポイントは以下のとおりです:

  • 定規などを使って“折り線”できれいに曲げる
  • 面の向きが間違っていないか、一つひとつ確認しながら折る
  • 角度がある場合(90度、45度など)は意識して曲げる

特に「ここが立ち上がって、この面とくっつくのか!」と、展開図が立体になる瞬間を体感することが、最大の学びになります。

「あれ?なんか変?」=最高の学びのタイミング

思った通りに立体にならなかった場合は、むしろラッキー!

  • 面の順番が逆だった?
  • 折り線の位置がずれていた?
  • そもそも展開図の形が間違っていた?

そんな「?」が浮かんだら、答え合わせのチャンスです。
ここで自分の描いた展開図と、立体にならなかった原因を照らし合わせることで、イメージ力が一段階アップします。

ミオさん
ミオさん

私も、最初ぜんぜん思い通りに立体にならなかったです。でも、ミスすると逆に“ここが違ったんだ!”ってすぐ分かりました。

紙工作のようでも、これはれっきとした“製図トレーニング”

この一連の作業は、見た目はまるで“紙工作”ですが、
中身は立派な製図・読図の実践トレーニングです。

私は新人教育の現場で、この“切って→曲げる”作業を通じて、
「頭の中で立体が組み上がる感覚が初めて分かりました!」
という声を何度も聞きました。

図面を読んで、手で形をつくる。この体験を通じて、
“線の意味”が一気にリアルになるのです。「読めない図面」が「触ってわかる図面」に変わる瞬間。
それを実感できるのが、この【実際に曲げる】ステップです。
ぜひ、あなたの手で展開図を“かたち”にしてみてください。

【まとめ】展開図がイメージできたら次は手を動かそう!

図面を見て、「この形ってどうなるんだろう?」と頭の中で考えるのは、とても大切な第一歩です。
でも、“わかった気がする”を“わかってる”に変えるには、やっぱり手を動かすことが必要です。

この記事で紹介したように、

  • 展開図を描いてみる
  • 切ってみる
  • 曲げて立体を作ってみる

この3ステップを通じて、図面の線や寸法が、“意味を持つ情報”に変わっていきます。

描く → 切る → 曲げる。このプロセスに意味がある

新人の指導経験からも実感していますが、
実際に展開図を描き、それを形にすることで、「あれ?」「おおっ!」という気づきと発見の連続が生まれます。

自分で手を動かすことで、以下のような力が身につきます:

  • 図面の見方(視点の順序)
  • 展開図の構造理解
  • 立体への変換力(イメージする力)
  • “線”の意味のリアルな体感

少しずつ、「頭の中で形が見えるようになる」

最初はうまく描けなかったり、形にならなかったりするかもしれません。
でも、失敗しながらでも何枚も描いて、何回も折るうちに、
ふとしたときに「これ、たぶんこうなるな」と形が頭に浮かぶ瞬間がやってきます。

これは、特別なセンスではありません。
「見て → 考えて → 作る」経験を重ねた人だけが得られるスキルです。

あなたも、展開図が“見える人”になれる

展開図を描けるようになると、図面の理解が深まるだけでなく、
ものづくりの現場でも信頼される存在になります。

そして何より、自分の中で「線と面と形」がつながった瞬間は、
とても楽しくて、ワクワクする感覚です。

「図面を見るのが楽しくなった」
そんな声を聞くたびに、私はこのトレーニングの大切さを実感しています。

まずは1枚、描いてみてください。
1回、折ってみてください。
そこから“見える力”は、確実に育っていきます。

あなたの図面力、これからもっともっと伸びていきますよ!

ハマン
ハマン

展開図が描けるようになると、現場での信頼度が一段と上がりますよ。地味ですが、実は“現場最強スキル”のひとつです。

ミオさん
ミオさん

前は“ただの線”だったのに、今は“形”に見えてきました!展開図、ちょっと好きになってきたかも…!

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