斜め線・鋭角・鈍角曲げの展開図を描くコツ|初心者向けやさしい解説

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直角曲げは描けるようになってきた。でも、「斜めの線」「鋭角・鈍角の曲げ」が出てくると一気に迷子に…。その感覚、よくわかります。コツは、“斜め”を2種類に分けることと、1枚ずつ順番に処理すること。やさしく一緒に進めましょう。

斜めの線が出てきた…これは何?なぜ難しい?

「斜めの線」は2種類だけで考える

見た目は同じ“斜め”でも中身は別モノ。最初にここを分けると一気にラクになります。

  • A:面の端が斜め… 斜めカット・面取り・テーパなど。辺そのものが斜め。
  • B:曲げ角度が直角ではない… 60°(鋭角)/120°(鈍角)など。曲げ線の角度が90°以外。
ミオさん
ミオさん

私、ここごっちゃに見てました…。

なぜ難しく感じる? → 情報が“散っている”から

直角だけなら3面図で完結しがち。でも斜めが絡むと、補助投影図・詳細図・断面図に情報が分散します。まずは“1か所に書いてない前提”で丁寧に拾えばOK。


【A】面の端が斜めのとき:真長(しんちょう)を取って置き換える

辺が斜め=投影図では長さが縮んで見えることが多いです。そこで「真長(本当の長さ)」を取ります。

  • 手順A-1|補助投影図で真長を取る:斜めの辺が正面を向く向きで補助投影 → そこでの長さを採用。
  • 手順A-2|展開側へ“そのまま転写”:基準面の外周→隣接面へ、接続する辺ごとに真長で置き換え。
  • 手順A-3|スミ合わせ:各辺の接続点がズレないか、1辺ずつ赤ペンでチェック。

補助投影がない場合は、簡易法として三角比(勾配)から長さを算出し、展開側に反映してもOK(迷ったら紙で切って検証)。

ハマン
ハマン

“真長を持ってくる”が合言葉。見た目の長さに騙されないように。

【B】鋭角・鈍角の曲げ:曲げ線は“動き”+角度で読む

曲げ角度が90°以外のときは、曲げ線の記号・角度・R(曲げ半径)が要。

  • 手順B-1:図面の角度・R・板厚の指示を拾う(注記も忘れず)。
  • 手順B-2:基準面→隣の面へ接続線を1本ずつたどる(どの辺とどの辺が接する?)。
  • 手順B-3:社内表 or 簡易計算で曲げ長を足し、展開寸法に反映。

鋭角/鈍角が重なると、隣接辺の“見かけの長さ”が変わるのが普通。迷ったら紙で検証が最短です。

斜め&角度が絡む時に起きる“ズレ”の正体

  • 投影ズレ:斜めの辺は3面図で縮んで見える → 真長へ置換。
  • 角度ズレ:90°以外は展開時に辺の位置が移動 → 曲げ長を考慮。
  • 接点ズレ:接する辺の端点がズレる → 接続順に赤チェック。
ミオさん
ミオさん

100mmのはずが合わないの、これが原因だったんですね…!

描くときの「順番テンプレ」:迷ったらこれ

  • ① 面を1枚ずつ仕分け(斜めがある面/ない面、基準面を決める)
  • ② 接続関係を決める(どの辺がどの辺と接する?をメモ)
  • ③ A:斜め辺=真長化B:角度曲げ=曲げ長反映
  • ④ 接点チェック(各コーナーの端点がつながるか赤で確認)
  • ⑤ 紙で検証(外周だけ切る→折る→違和感メモ→修正)

5分ミニ練習(答え合わせは紙)

  • 練習1:100×60の板の右端を45°テーパ。真長を取り、展開へ反映。
  • 練習2:R=2、t=1で120°曲げの片フランジ。社内表で曲げ長を加味して展開寸法を出す。
  • 練習3:練習1+練習2を合体(斜め+鈍角)。接点ズレを紙でチェック。
ハマン
ハマン

紙の先生は正直です。ズレたら原因に丸をつけて、1回で直そうとしないこと。

やりがちミス → こう直す

ミス起点直し方
見た目の斜め長さで描いた投影縮み補助投影で真長取得→展開へ置換
鋭角/鈍角で辺が合わない曲げ長未考慮曲げ長を足す(社内表 or 簡易計算)
コーナーがずれる接続順の取り違い基準面→隣接面の順に端点を赤で追う

補助図面・詳細図をフル活用しよう

  • 補助投影図:斜め面を正対で見る → 辺の真長・実角度を取得
  • 断面図:曲げ後の接点・重なりを確認
  • 注記・手順書:R、K係数、許容差、曲げ順の指定は最優先

3面図で足りないぶんを補助図で補う—この意識だけで迷いが激減します。

理解できて嬉しそうな様子のミオさん

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【まとめ】斜めも鋭角も怖くない。「真長」「曲げ長」「1枚ずつ」

ポイントは3つだけ。

  • A:斜め辺→真長で置換
  • B:鋭角/鈍角→曲げ長を反映
  • 順番→面を1枚ずつ・接点を赤で確認

焦らなくて大丈夫。描く→切る→曲げるの小さな成功体験を積み上げれば、必ず“見えるほう”に来られます。今日の5分、紙で試してみましょう。

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